Skip to content

1 つだけの製品を安全に梱包

>

2023/03/16   |   Wels   |   オーストリア

  • マットな表面「ewe nanoo」を採用した「ewe Fina」は、ewe シリーズでもっとも人気のあるキッチンです。
  • … 注文ベースで搬送トロリー上に集められます。
  • ミヒャエル・シュテラー: 「取付けラインから来るすべてのキャビネットについて、40 秒間で段ボールを切断し、ハンドリングを実現するのです」
  • キャビネットは、取付けラインからコンベアベルトによって梱包ラインへ移動します。ここでは、約 5 台のキャビネットのデータフローで個別に梱包されます。

オーバーエスターライヒ州のヴェルスにある ewe Küchen 社は、その重要なキッチンをカスタマズし、高い品質で細部にこだわって製造しています。欠陥のない状態で家具を購入者に届けるため、ewe 社は、今年初めから梱包時に HOMAG のボール紙裁断機を採用しています。 2021 年、オーストリアでは合計 209,900 台のキッチンが販売されました。平均すると、オーストリアの 20 世帯に 1 世帯が新しいキッチンに投資したことになります。キッチン市場がアルプス地方で活況を呈していることは、需要の増加にも表れています。増加率は、2021 年に前年比で 7.9 %、ewe Küchen 社ではさらに 24 % でした。この上昇に伴い、ewe Küchen 社のマーケットシェアも 1.3 % 増加しました。需要の増加と共に、2021 年にはキッチンがますます高級化し、顧客は細部や装備に注目していることも分かりました。

高い垂直統合による受注生産

ヨーロッパ最大のキッチンメーカー Nobia グループの一員として、ewe 社はロットサイズ 1 の高級キッチンを製造しています。ブランドには、モダンなキッチンの ewe、現代的なカントリーハウスデザインの FM、デザイナーズキッチンの INTUO があります。例えばマット表面「ewe nanoo」を採用した「ewe Fina」モデルはヴェルスでもっとも人気があります。これに対して、「FM Hirschalm」は新しい解釈を加えたカントリーハウスキッチンの例として、ミュールフィアテルの伝統的特徴とモダンな雰囲気を一体化したものです。
キッチンは、ヴェルスとフライシュタットの拠点で製造されます。ここでの重要な製造原則は、ロットサイズ 1 原則の他に、高度な垂直統合によるスループットでのネットワーク化され、連結された生産です。「すべてのキャビネットは受注生産です」とヴェルスの技術部長ミヒャエル・シュテラーは強調します。「すべての側面、床、面が個別に生産されます。注文に関連づけのない構成部品はありません。」基本条件としては、1 つのボディのリードタイムは 3 日間で、一日に 1000 個のキャビネットを生産することです。

ライン A では 900 個を個別生産

ヴェルスでの製造は、厚さが 2 種類ある約 50 のパネルタイプを保存しているシェルフシステムからスタートします。「ボディエリアでは、現在、片面と両面合わせて約 25 種類の装飾を使用しています」とシュテラーは説明します。塗装および化粧張り板した部品はフライシュタットで製造され、ヴェルスの生産拠点に送られます。ここでは、基本的にハーフフォーマットが 2 つのボディ部品ラインを移動しており、そのうちのメインライン A はすべてのトールユニット、ウォールユニット、ベースユニットを加工します。これが毎日約 900 個です。加工は 2 台の 1 軸鋸で始まり、これらの鋸で毎日 5500 個の部品が切断されます。ここでは、すべての部品にラベルが付けられますが、最初はパネルの種類と寸法が含まれているだけです。後続の加工によって、そこからさまざまなコンポーネントが作られます。しかし、まず部品は中間バッファを介してエッジ加工ラインに送られます。そこでは 4 つのシステムが直列に接続されているため、部品は規定の位置で通過することができます。「エッジ加工が終わると、その部品が何で、どの注文に属しているのかも分かります」とシュテラーは強調します。ラインは 2 つの出口セクションで終了します。ここでは構成部品がまず分類され、コンテナに集められ、続いてピッキングステーションに運ばれます。
手動ピッキングでは、ヴェルスにあるラインのすべての部品がフライシュタットの部品と合流し、正確な生産順序に送り込まれます。次の最終組み立てでは、ewe 社の場合、カスマイズ化を可能な限り遅く行います。この点で、現在、ボディエリアにまとめられる最大ロットサイズは一日となります。「それでも、当社はこれをさらに減らそうと考えています。というのも、それによってピッキング作業が簡略化され、ロジックとノウハウを減らせるかもしれないからです。」最終的に部品のカスタマイズは高度に自動化されたスルーフィードシステムで実現されます。そこで部品は、穴あけ、ダボ加工、金具の装着、取付けが行われ、ボディにプレスされます。

特殊な種類をさらに 100 個

一日に約 100 個のキャビネットを処理する第 2 のボディ部品ラインである特殊ライン C では、通常とは異なる部品、特に小型または大型の部品、強化構造が施された部品、装飾やハイグロス仕上げの部品が取り扱われます。また、立法体の形状を有していないキャビネット (コーナーキャビネットなど) や、流れ作業では実現できない、組み立てに手間のかかるキャビネットもここで加工され、取り付けられます。毎日 1000 個の部品を処理できるように、このラインも 1 軸鋸を使って作業し、次にリターン搬送付きのエッジ加工ラインが続きます。
キャビネットは多彩な作業順序で両方のラインを移動し、受注品が次々と生産されていきます。両方のラインの最後で、キャビネットは梱包の方向へと進みます。

ロットサイズ 1 の梱包

ewe 社の場合、キッチンの販売では、キャビネットをボディとして受け取る専門販売店と取引を行うことがほとんどです。すでに 2009 年に ewe 社が最初の梱包システムを稼動させて以来、このキッチンメーカーはそれぞれのキャビネットにぴったり合わせてパッケージを裁断しています。「当社製品の多様性のため、段ボール箱についてもさまざまなものを用意する必要があったのです」とシュテラーは言います。「ガラスキャビネット用だけでも、3 ピース、または 4 ピースのパッケージを使用します。」この 12~13 年で、ewe 社はロット 1 サイズの梱包で豊富な経験を集めました。「すべての設計と展開図を自社で作成し、現在もそれだけを使用しています。ですから、2009 年に購入した専用のプログラミングソフトウェアは、今後も引き続き使用したいと考えています。」
個別梱包に必要なすべてのデータは、今日まで ERP システムから入手しています。ewe 社が独自に作成したインターフェースを介して、すべての関連情報がシステムに送信されます。関連情報には、ボディの幅、高さ、奥行きはもちろんのこと、例えば前板の材料厚みも含まれます。この厚みが 18 mm か 22 mm かに応じて、最終的に梱包の展開図は異なってきます。「必要なデータは、短時間で提供されます。最大 6 つのボディをバッファとして、梱包の直前にキャビネットのバーコードをスキャンします。こうして ERP システムで変数リストが作成され、設計と一緒に適合するカットも出来上がるのです。」

データ構造をできる限り保持

ewe 社の両方の拠点では、現在、4 台の梱包システムが使用されています。ロットサイズ 1 の個別梱包は確立されており、ノウハウは豊富にあります。では、このキッチンメーカーが更新投資で HOMAG の PAQTEQ C-250 を選んだ理由はどこにあったのでしょうか?それには、いくつかの理由がありました。「例えば、段ボールに印刷できることです。当社がキャビネット用に作成する展開図は 1 つだけではありません。2、3 種類の展開図が作成されます。そのため、従業員はどの設計がどのキャビネットに属しているか分からなくなることがあるのです」とシュテラーは言います。「現在では、5 桁のエレメント番号を段ボールに印刷するだけで、設計とキャビネットの関連が分かるようになっています。エラー原因は取り除かれました。」
もう 1 つの理由はツールの数でした。旧システムでは 6 つの縦方向ツールで作業していましたが、PAQTEQ では 8 つ使用されます。「この性能向上は、一定時間に生産量を増やす必要がある場合に有効です」と技術部長は言います。「その場合は、もう一人の従業員を機械に配置するだけです。」さらに、ewe 社が特に重視したのは、ERP システムからの柔軟性と一貫性が維持されることでした。4 台の梱包機械のこれまでのデータ構造については、変更をできる限り少なくする必要があったのです。「データを安全に PAQTEQ に転送できるように、当社と HOMAG が共同で基本構造を少しだけ調整しました」とシュテラーは言います。シュテラーによれば、PAQTEQ の使用開始がスムーズに行われたのは、細部にわたって周到に準備された結果であり、「これが驚くほど機能しました」とのことです。

40 秒

今年の初めに設置したシステムは、現在、直接ラインに組み込まれています。全体の環境、特にキャビネットの搬送技術や段ボール設計は変更せずにそのまま維持することができました。稼動している PAQTEQ には 6 つの段ボール用シャフトがあります。ewe 社ではこれまで 3 つの段ボール幅を使用していましたが、これにより、すべての幅を 2 回利用できるようになりました。「現在では冗長化が可能になり、休止中および取付けベルトのサイクルが許せば、エンドレス段ボールシートを交換することができます。」これでベルトでのバックログはもう発生しません。今後は、900~1000 個のキャビネットを 2 回のシフトで梱包するようになるかもしれません。「そのために、当社は 40 秒サイクルを検討中です。取付けラインから来るすべてのキャビネットについて、この 40 秒間で段ボールを切断し、ハンドリングを実現するのです。」そのためにオペレータがすることは、機械をオンにするか、エンドレス段ボールシートを充填することだけです。その他のすべての作業は PAQTEQ が行います。データ受信もバックグラウンドで自動的に行われます。注文ベースで、梱包されたキャビネットは台車に載って発送部門に送られ、次の日、トラックで販売店に搬送されます。

 

 

 

リストに戻る

参考生産方法

関連情報