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Neue Räume は、SAWTEQ S-300 flexTec で将来に備えています。画像出典: HK – Holz- und Kunststoffverarbeitung

将来への備えは万全

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2024/08/02   |   Schwäbisch Hall   |   ドイツ

  • 8 年前、オーナーのバスティアン・ヴァール氏は、個人向けの高級キッチンの製造を始めました。画像出典: HK – Holz- und Kunststoffverarbeitung
  • ロボットローディング機構を装備した新しい SAWTEQ S-300 flexTec により、生産におけるボトルネックが解消されました。画像出典: HK – Holz- und Kunststoffverarbeitung
  • 切断用パネルは 平面倉庫 STORETEQ P-300 に保管されています。画像出典: HK – Holz- und Kunststoffverarbeitung
  • シュヴェービッシュ・ハルにある Neueräume GmbH の本社。画像出典: Neueräume GmbH
  • このショールームは 2 年前の改装工事の一環として誕生しました。画像出典: Neueräume GmbH

シュヴェービッシュ・ハルという地名を聞いて、ドイツ人の多くは同名企業の「安心して家が建てられます」という有名な CM を思い浮かべるかもしれません。この街に拠点を置く Neue Räume GmbH のオーダーメイドキッチンなら、その家をさらにアップグレードできるでしょう。同社の切断加工に Homag の SAWTEQ S-300 flexTec (旧 SAWTEQ B-300 flexTec) が使われています。

8 年前にバスティアン・ヴァール氏は、自社である Neue Räume GmbH でオーダーメイドキッチンの製造を新たに始めました。キッチン製造を始めることになったのは、実は偶然でした。経済工学を専攻し、家具職人でもあった彼は、自分にぴったりのビルトインキッチンを探す中で、とてもがっかりしていました。高品質で機能的でありながら、公正な価格で提供される、オーダーメイドでシンプルなデザインのエレガントなキッチン。探していたキッチンは、どのキッチンショールームにもなかったのです。

この経験がいわば最初のきっかけとなり、それ以来、バスティアン・ヴァール氏はキッチン界に革命を起こしたいと考えました。家具職人が作るキッチンは、現代において最新のコンピュータプログラムと木工用のハイテク機械の助けを借りる必要があります。これにより、職人技の精神を維持しながら、最高レベルで予定通りの工業生産ができるようになるからです。現在、このオーダーメイドキッチンは「NR Küchen」というレーベルで提供されています。

キッチン製造に参入した直後から、ヴァール氏の会社は驚くべき成長を見せました。自社が保有する機械の大部分は、Homag Group 製で、既に長年にわたり、Homag とともに成功を収めています。需要の増加を受けて、ヴァール氏は 2 年前に生産を大幅に増やすことに決めました。「当初は約 600 ㎡ の工場を建設するつもりでしたが、最終的には Homag の SAWTEQ S-300 flexTec を設置するために 900 ㎡ にしました。ボトルネックを未然に防ぎ、中長期的な成長目標を実現するために必要なのは、まさにこのロボット鋸なのです」とヴァール氏は言います。

この鋸にはロボットが内蔵されており、ロットサイズ 1 の生産を長距離にわたって無人で実行できるように設計されています。また、従来のように手動で行うこともできるため、必要に応じて柔軟な対応が可能です。このロボット鋸にはマシンコントローラ CADmatic が装備されており、革新的なタッチ操作を可能にし、アシストグラフィックによりオペレータをガイドします。切断には最適化ソフトウェア Cut Rite を使用します。

ロボット鋸に直接接続されているのは、会社の物流要件に対応する平面倉庫システム STORETEQ P-300 です。倉庫システムにより材料のフローが最適化され、在庫管理に透明性が得られ、加工機械が最適に稼働できます。この倉庫は、Homag のインテリジェントな倉庫管理システム woodStore で運用されており、これによって倉庫ポートフォリオ全体を育てていくことができ、持続性とカスタマイズ性を保ちながら倉庫性能を最大限に活用できます。定義されたパネルは、トラバースで倉庫から鋸に供給されます。

バスティアン・ヴァール氏は、将来の目標を達成するために、完璧な態勢を整えようとこの 2 年間で改築を行い、数百万ユーロをかけて総合展示場と新しい機械を導入しました。注文してから、ロボット鋸と倉庫が稼働するまで約 9 か月かかりました。 

この鋸は 4.0 m を超えるパネルを切断できますが、NR Küchen では通常、パネルのサイズは 2.80 x 2.10 m、厚さは 8 ~ 60 mmです。現在、平均して 1 日に約 40 枚のパネルが切断されており、ロットサイズ 1 の場合もあります。

「しかし、もちろん、このロボット鋸はもっと多く切断できるので、それが今後の目標を支える土台となります。さらに、全自動運転を導入すれば機械操作に必要な作業員は半数で済み、節約効果も期待できます」とヴァール氏は嬉しそうに語ります。「もちろん、会社としてこの機械を最大限に活用するためには、まず新しいロボット鋸とその機能に慣れる必要がありました。もちろん、これは訓練を受けた専門スタッフでなければ不可能です。複雑な制御システムは、単に〈習っただけ〉のスタッフでは限られた範囲しか操作できないからです。それでも、制御システムから倉庫、鋸までを完全なデジタルプロセスにすることが重要でした。これが私たちが未来に適応するための唯一の方法だからです」とバスティアン・ヴァール氏は説明します。

このような複雑な技術では、いかなる故障も許されないため、キッチンメーカーは機械サプライヤーを全面的に信頼できなければなりません。「特に初期の頃はいつも困難に見舞われていましたが、Homag は私たちの声に常に耳を傾けてくれました。私たちの立場から言えるのは、優れたサービスは価格よりも重要であるということです。このような大きな投資では、価格を一番に考えるべきではありません」とバスティアン・ヴァール氏はまとめます。

そして、次の購入も既に決まっています。HOMAG のポータル型リターンシステム LOOPTEQ O-600 を備えた新しい縁貼機 EDGETEQ S-500 が、7 月か 8 月にシュヴェービッシュ・ハルの工場に設置されます。新しい機械は自動デスタッキング機能を備えているため、次のステーションにある 2 台の CNC 機械へ最適に配送できます。

シュヴェービッシュ・ハルにある Neueräume GmbH は家族経営で、現在 5 代目です。同社は常に最高品質の木工技術を提供することを目指してきました。バスティアン・ヴァール氏はオーナーとして、この伝統を引き継いでいます。高品質で環境にやさしいオーダーメイドキッチンを公正な価格で生産することで、会社を高級キッチンメーカーとして確立することに成功しました。このキッチンは、現在主に南ドイツの最終顧客のみを対象としています。

NR Küchen は総勢 25 名の従業員で設計、製造、組み立てを行っています。材料の品質と各部材の最適な仕上がりにより、特に高級キッチン部門において、他の多くのキッチンメーカーの 2 倍の耐用年数を保証しています。キッチンショールームでは、顧客の希望により、1 階のショールームに隣接する製造工場を見学することができます。最新のソフトウェアソリューションのおかげで、加工のどの段階でも、顧客もキッチンの引き出しや正面パネルの場所や状況をはっきり確認できます。

顧客はなぜ NR Küchen のキッチンを購入するのでしょうか?「近年、積極的なオンラインマーケティングにより、当社は当地域だけでなく国内の他の地域でもブランドとして認知されるようになりました。多くの人がインターネットを通じて情報を入手します。お客様とのやりとりで大切にしているのは、良好な、知り合いのような近い関係を築くことです。これには、透明性の高い計画と、完全にオープンで公正な価格計算、そして継続的なコミュニケーションが含まれます。市場が求めているものはまさにこれなのです」とバスティアン・ヴァール氏は説明します。

「特に初期の頃はいつも困難に見舞われていましたが、Homag は私たちの声に常に耳を傾けてくれました。私たちの立場から言えるのは、優れたサービスは価格よりも重要であるということです。このような大きな投資では、価格を一番に考えるべきではありません。」

バスティアン・ヴァール、Neuen Räume GmbH 取締役社長

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